―百合色―

『え?』

俺はいまいち優さんが言っている事が分からなかった。


似ている?

俺と?


『僕も…光輝君と同じ事をした…』


優さんの目がさっきまでとは違った。


悲しい、誰かを想う目になっていた。


『それって…』


『僕も好きなのに、自分から離れていったんだ…昔ね』


優さんは、また一口エスプレッソを飲んだ。


『………』


言葉が出なかった。

何も言えなかった。


『光輝君は、百合の事がまだ好きかな…?』


『…はい…でも…俺…絶対不安にさせてしまう…百合を…百合を想えば想う程…百合を幸せに出来ない気がするんです…だから…だから』


血液の流れが、
速くなっていくと共に、
俺の中の病原体も、
体に回るのが速くなっていく。


今年の風邪はつらい。


俺の心も…冷たく…苦しい。