―百合色―

マナは一生懸命問題を解いていた。


一生懸命問題を解くマナの姿が、さっきまで不安な顔をしていたマナではなくなっていた。


『マナ…』


俺はすごく小さい声を出す。



するとマナは俺の声に気付くように、俺の方を見た。

マナは笑ってピースをした。



マナ…


俺もピースをかえすと、
問題を解き始めた。



大丈夫…
出来る。
あれだけ勉強したんだ。
大丈夫…

大丈夫…



───…



『終了してください』



全ての教科が終わった。


そして、俺の挑戦は終わった。



『終わった~!な!マナ!』



『うん…』



『どうしたんだよ?』


入試が終わったのに、マナは暗い顔をしていた。


『あんまり…出来なかった…落ちたかも…』


『俺も全然出来なかったし、大丈夫だって!まず明後日の第二志望高校、頑張ろ?』



『うん…』


まだ入試は全て終わった訳ではない。
明後日の第二志望の入試が終われば、全て終わりだ─…