―百合色―

俺は卒業式が終わると、
3日後の入試に向けて、問題を何回も解き、
理解するまで勉強を繰り返していった。



─そしていよいよ本番の日。



隣には単語本を真剣に読んでいるマナがいた。



『マナ、大丈夫かよ?顔青いぞ?』



『う…うん、大丈夫…』



ホントかよ。
マナ今にも倒れそうだぞ?


確かに不安になるのは分かる。

入試会場には、たくさんの中学生がいた。


今年は去年より倍率が高く、競争率が高い。



俺受かるのかな?



『始めて下さい』


監督の先生に言われ、
俺達は問題用紙を開く。


さっきまで静かだった会場に、鉛筆の音が広がる。



俺は一人、動きが止まったままだった。



やばい…
頭…真っ白だ…
一問目から、さっぱり分からない。


どうしよ…
どうしよ…


鉛筆を握る手が、次第に汗をかいていく…


俺は隣のマナを見た。