―百合色―

甘い世界から、現実の世界へと戻ってしまう瞬間が一番嫌いだった。



俺は約束をした。


『俺、もうマナとはしない!』


いきなり意味が分からない事を言われたマナは、
当然黙る。



『?』



『マナが勉強に集中出来るようにする!マナは何も考えないで、勉強に集中してな!』


甘い世界が大好きな俺が言った、思っている事とは真逆の事。



でもマナには迷惑かけたくなかったからさ。


俺我慢するよ?




『光輝…バカね。
ありがとう…』



バカ?いや、天才だろ?

こんな彼女思いの俺、
滅多に見れないよ?



『マナが好きだから我慢すんの!分かった?』



『うん、分かった!』



『でも最後にワガママ聞いて?』



俺はマナの唇に俺の唇を重ねた。


そっと、優しく…



『おし、元気出た!』


『バカ光輝!』



マナの照れた顔が、
好きだから。


俺はわざとするんだ。