―百合色―

結果はゆっくりだが、
確実に上がっていた。



─中学生最後の夏休み



『は?何でこうなるんだよ?』



『お前聞いてた?こうするんだろ?』



俺は今日、タクミの家へ来ていた。


タクミに勉強を教えてもらっている。




でも全然分からないんですけど?


一学期の成績は、俺なりに頑張った成果が出ていた。


清秀に必要な偏差値はまだないが、頑張ればなんとかなると先生に言われた。


俺は希望を捨てない。



『なぁ光輝?』



『何だよ…』



今必死に問題解いてるんだよ…



『麻生とどう?』



麻生と聞いて、スラスラと動いていたシャーペンの動きが止まる。



『マナ?』



『楽しいか?毎日』





知ってんだろ?タクミ。


お前の質問に俺がどんな答えを返すか。



『当たり前』