―百合色―

『ダメだぁ~…無理!分からん!』


俺は持っていたシャーペンを投げる。



『光輝頑張って!光輝なら出来るよ!一緒に頑張ろ!まだ間に合うからさ!』



マナの優しさがジーンと心に響く。



『頑張る…全然マナと同じ高校行くから!』


『頑張って光輝!』



『おう!』


俺はマナを送っていき、
速攻家へと向かう。



そして、家に着くと、
物置状態だった机を綺麗に片付け、母親が買ってきた、参考書を開く。



まずは数学から勉強を開始した。



難しい問題がいくつかあったが、自分なりに考え、
答えを導いていく──…



マナの為に、俺は頑張る。


マナ…喜んでくれるかな?


俺が少しでも成長したら。


マナの笑顔に期待して、
遅くまで俺は机に向かい、勉強をする。