―百合色―

『まっまじ?』


更に俺の顔は赤面する。


そしてまた速くなる俺の鼓動。



『光輝!二人で一緒の高校行こ!頑張ろ!』



『俺死ぬ気で勉強するから!』



『目指せ!清秀だね!』



『おう!』



たった今からマナは俺の彼女だ。



そして、なかなか答えが出なかった進路の事にも、
答えが出た。


俺はマナと清秀高校に行く。



絶対に。



俺は何かを思い出したかのように、マナを一人置いて走って行った。




─ガラガラッ



着いた先は、職員室。



『先生!』


俺は急いで担任の元へと行く。



『坂井?どうした?』



『先生…俺…』


荒れた息を落ち着かせようとするが、なかなか出来ない。



『俺…清秀行く…俺清秀高校行くから!』



とだけ言って、また走っていく──…



先生はいきなり言われてびっくりしただろう…



でも俺は決めた。



少し皆より決めるのが遅くなった。



5月下旬。

俺に新たな目標、
そして新たな彼女が出来た──…