−−ダメ、我慢しなきゃ… 自分に言い聞かせ、上を向き涙を堪える。 「えーっと、たしか桜の木の前で泣いて… ん?泣いてからの記憶がない…」 記憶があるのは…フワフワ心地いい感覚と懐かしい匂い。 −−−あの匂いは… 「ないないない!」 頭を左右に振り、浮かび上がった人物を否定する。 −−−彼のはずがない…