「あっ!鰈(かれい)だ!ん?鮃(ひらめ)?」 心を鮪の水槽の前に放置し、向かい側にあった鰈か鮃の水槽に駆け寄った。 「鮃だろ」 「えっ!なんで分かるの?」 「ん」 「ん?」 心が指で指した方を見ると"鮃"と水槽の前にある紹介文に書いてあった。 紹介文が書かれた台の存在をすっかり忘れていた私は、苦笑いを心に向けた。 「不細工な面してんじゃねぇよ。 次行くぞ。」 私に背を向け歩き出した心に、ドキドキするのはきっとこの… 「しんちゃん、手…」 繋がれた手のせい。