先を歩く美穂に、銀が駆け寄り左手を取り歩き出した。 手は恋人繋ぎ、1歩前を歩く銀は普段美穂に負けている時とは違い、逞しかった。 喧嘩してじゃれあっている時の2人もいいが、恋人同士の2人の姿を見ると温かな気持ちになる。 制服を着て、お喋りしながら家までの道程を歩く。 編入してから今まで、当たり前だったことがあと3ヶ月で当たり前じゃなくなる。 --卒業… 受験が終わったら必ず来る行事。 美穂には強気で言った私だって寂しい--… 時間は刻一刻と過ぎて行く…