−−えっ? 思ってもみなかった彼の答えに一瞬、思考が追いつかなかった。 気付いた時には、心は駅の入口で切符を買っていて慌てて駆け寄る。 駆け寄ると無言で渡された切符。 「えっ?」 「やる。」 咄嗟に取ってしまった切符を見ると、最寄り駅の金額。 「あっ、お金。」 「いらねぇ」 鞄から財布を取ろうとする私を無視し、改札に向かう心。 「心ちゃん!ありがとう。」 少し前を歩く心にお礼を言う。 心は振り返り 「早く来い。」 と言った。 その時に少し笑った気がした。