私は思わずフライパンから手を離し、怜君の方を見た。 「焦げるよ。」 と、怜君にフライパンを指さされまたフライパンの方に目をうつした。 「麻貴から真奈が気にしてるって聞いたからさ。確かにひどいこといわれ続けたけど平気だし。」 平気じゃないくせに。 悲しそうな顔するくせに。 「強がらなくていいじゃん。」 「は?」 「怜君、頑張りすぎだよ。悲しそうな顔するくらいならいっぱいいっぱい私や麻貴に話しなよ。」