君想う




中に入ると顔に白い布を被された麻貴がいた。




「麻貴…?」




私は布を取った。



そこには麻貴の穏やかに眠る顔があった。




「麻貴…っ、麻貴っ…。」




私は目の前にいる動かない麻貴を見てただ名前を呼ぶしかなかった。




「麻貴ーっ。」




…私は生まれる前から一緒だった麻貴を失った。



たった1人の兄をなくした。