TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「違うわよ!!」

三軒隣まで響いてそうな大声で真智子は否定する。

「なんであんたにラブコールしなきゃいけないのよ!!ばかじゃないの!?」

――そんなに激しく否定しなくても。おれ、かわいそうじゃん。

そう心で呟きながらも、相変わらずの真智子の反応に浩介はほっとしていた。

「そんな怒んなくてもいいのに」

笑いながら言う彼に、真智子は無愛想な態度で電話をかけた理由を口にする。

「ただ、卒業以来音沙汰ないからどうしてるかなって。ちょっと心配したのに。引越したのも知らなかったしさ」

「そりゃどうも」

「なにしてるの?今」

真智子が仕事の事を聞いていると分かったうえで、浩介は目の前にある青い牛乳パックを見ながら答えた。

「低温殺菌 大地の恵み 富豊(とみとよ)牛乳飲んでるけど?」

「そうじゃないわよ!!」

怒鳴り声すら懐かしくて、つい笑いが込み上げてくる。