TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

ところが教室に帰る途中、また同じ痛みだか痒みだかに襲われた。

「浩ちゃん、派手に失敗したでしょ?見てたよ〜」

急に後ろから真智子が現れ、背中を叩いて話しかけてきたからだ。

普段ならこんな軽い接触、全然平気なはずなのに。

「……浩ちゃん?」

いつもと違い、何もやり返してこない浩介を不思議に思った真智子は、ひょこっと彼の顔を覗き込んだ。

「どうかした?具合悪い?」

無邪気に近付いて来る真智子の顔。

体中の血が逆流するのを感じた浩介は、この上なくぶっきらぼうに答えた。

「うるさいな、ほっとけよ」

途端に真智子の怒りのスイッチが入る。

「なによ!心配してんでしょ!」

「いつ心配してくれって言ったよ?おせっかいさん」

「おせっかいのどこが悪いのよ、このひねくれ者!」

「その言葉、真智には言われたくないね」

「なんですって!?」

収拾がつかなくなっている言い合いに、いつものように和也が笑いながら仲裁に入った。