TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

そんな、ある日の事。

「どう?景気は」

アパートで一人暮しを始めた浩介の携帯に、初めて真智子から電話がかかってきた。

「え?まあまあだけど」

携帯を肩で押さえ、コップに牛乳をつぎながら浩介は答える。

「んで?こんな朝早くから何の用?」

浩介は、別に話す事ありませんよという態度をとり、本当はいろいろ聞きたくてうずうずしている気持ちをごまかした。

電話の向こう、懐かしい大きなため息が聞こえる。

「あんたね……」

こいつ全然変わってない、と言いたげな真智子の呆れ声。

「今、何時だと思ってるの?」

「正午らしいな」

「で、“朝早く”?」

「今起きたばかりだからおれには今が朝なんだよ」

「ったく、相変わらずね。あんた」

久しぶりに聞く彼女の声がなんだかくすぐったい。