TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

中一の夏。

相変わらず三人は仲良しで、いつも一緒に居た。

このまま、何も変わらないように思える位。


和也は伯母の家を出て姉と二人暮しを始め、朝刊配達をしながら学年トップを保っている。

浩介と真智子はというと、放課後和也の家に転がり込み数学を教わっていた。

二人仲良く赤点を取ったからだ。

「テストの点数まで仲良いよね、浩ちゃんたち」

小さなガラステーブルを挟んで向かい合い、何枚もあるプリントと睨めっこしている二人の姿を眺めながら和也はしみじみと言う。

なかなか解けない問題に苛々しながらシャープペンシルをカチカチいわせていた真智子は、ぱっと顔を上げ露骨に嫌そうな表情をして和也を睨んだ。

「一緒にしないでくれない?」

その真智子のセリフに浩介の無表情な声がかぶる。

「それはこっちのセリフ」

「あんたに言われたかないのよ!」

まあまあ、と和也は爆発しそうな勢いの真智子をなだめ、追加のプリントを手渡した。

「これ出来たら呼んで。配達区域の地図チェックしてるから」

そう言って、和也は少し離れた所で地図に手際良く印を付け始めた。

――よくやるよなあ、和さんは。

浩介はペンを止め、上目使いでちらりと和也を見る。

――おれにはとても真似できないな。あの真面目さ。

複雑な家庭環境らしいが、ぐれもせず、穏やかで何事にも一生懸命な和也に浩介は一目置いていた。