TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「へぇ、そう見えるんだ。意外だなぁ」

なおもへらへら笑う浩介に、真智子はきつい声で言い放った。

「あんた、本当に最低だよ。誰か人を好きになった事なんてないんでしょ?」

――……鈍感娘。

浩介はニヤリと笑って自分の気持ちをはぐらかす。

「さあね」

彼のその答えに真智子は戸惑った。

てっきり、“どうせそうですよ”とか“わかってるじゃん”とか言って肯定するだろうと思っていたのだ。

「えっ、浩ちゃん好きな人いるの?」

「え?なんで?」

キョトンとした表情を完璧に作って浩介は聞き返す。

「だって、否定しないって事はそういう事でしょ?」

「そうなんだ」

ここまで来ても“いない”と言わない浩介に、真智子はさっきまでの怒りはどこへやら興味津々で尋ねてくる。

「ねぇ、誰?学校の人?私も知ってる?」

――知ってるだろうな。本人なんだから。

心の声は口にせず、浩介はふっとため息をついてしらばっくれた。

「女ってしつこいよなあ」