TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「浩ちゃんも気付いたでしょ?」

明らかに肯定の返事を期待している真智子の問いに、これ以上はぐらかせないと感じた浩介は頷いて笑った。

「気付いてないの本人だけだと思う」

「でしょ〜?あたしもそう思う」

二人なんとなく笑った後、しばらく黙って歩いていた。

「……そういえば、どうして突然あんな事聞いたの?」

信号待ちをしていた時、ふと気になって真智子は尋ねた。

「別に?」

すぐに信号は青に変わり、浩介は道路に落ちていた石を蹴りながら小声で答える。

「後悔しないなら別にいいんですよ、あっしは」

独り言ぽく呟いた言葉が聞こえたらしく、真智子は少し嬉しそうに聞き返す。

「もしかして、心配してくれてる訳?」

――ここで素直に気持ち伝えられたらどんなに良いだろう。

でも口から出るのは――

「なんでおれが心配せなならんのや」

「じゃあ、なんで聞くの」

「だから別にって言ってるじゃん」

いい加減が嫌いな真智子はむっとして浩介に詰め寄った。