TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

放課後、掃除も終わり帰ろうとした真智子に、どこからともなく現れた浩介が声をかけた。

「横。歩いてていい?」

答えるのも億劫なのか、真智子は疲れたように笑う。

その理由がわかるから余計に口を開かせたくて、浩介はわざとかしこまって聞いた。

「よろしいでしょうか真智子様」

「いいんじゃない。好きにすれば?」

校門を通り抜け、二人はしばらく黙々と歩いた。

葉を落とした桜並木の枝の間を吹き抜ける風が冷たい。

「……何?」

何か聞きたいんだろうと気付き、真智子は自分から口火を切った。

「え、何が?」

「浩ちゃん、何か私に言いたい事あるんでしょ?何?」

浩介はいたずらに失敗した子どものようにぺろりと舌をだす。

「ばれたか」

「あんたね、何年一緒にいると思ってんの」