TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「ホントお人よしだな、和さんは」

「え?どこが?」

キョトンとして聞き返す和也を、浩介は小さなため息をついて見上げた。

「知らない人助けて、そのせいで自分が不便を強いられても“良い方”とか言ってるトコが」

「そうかな?」

全然納得しきれていない和也に、今度は大きなため息をつく。

「人類愛広いのは君の良いとこだけどさ。自分の身を守る事も少しは考えなよ」

その浩介の言葉が理解できないらしく、和也は首を傾げた。

「だって、当たり前の事しただけだよ?それに」

「それに?」

真智子は黙って和也の横顔を見つめている。

「それに彼女が今幸せでいてくれれば、視力位どうって事ないと思うから」

その言葉を聞いて、真智子は複雑な表情で微笑み、浩介は彼女の寂しそうな瞳を上目使いで見ていた。


すれ違うそれぞれの想い。

今まで辛うじてバランスを保って来た三角形が、ゆっくりカタチを変え始めていた。