TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「違うよ」

和也はニッコリ優等生スマイルで答える。

「“努力の成果”ってヤツ」

「あーそーですかドリョクのセーカですかそーですか」

余裕の微笑みに浩介がいじけていると、ちょっと前からこっちを見ていた真智子が近づいて来た。

「ね、後遺症がどうかしたの?」

「うん、今後遺症がないかどうか聞いてたんだ」

浩介はわざとそっちの話題に振った。

自分も知りたいし、真智子はもっと気になっているだろう。

和也の顔には“聞かないで”と書いてあるが、今日という今日はそんなの無視させて頂く。

「麻痺が残ったとか耳が悪くなったとか。何かなかったのか?」

「別に」

予想通りの返答に、真智子と浩介は顔を見合わせた。

「嘘だね」

「うん、嘘だね」

真智子は和也をまっすぐ見た。

「和也君が“別に”で逃げる時って、たいてい嘘だよね」

和也はすっと窓の外に目をそらす。

「いいじゃん、友達だろ?そのくらい教えてくれても良いと思うけど」

しつこい浩介の突っ込みに、和也は目を合わせないまま口を開いた。

「目がね、ちょっと」