TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「うるさいわね!泣いてないったら泣いてないの!!」

真智子は涙声でそう言い張る。

――可愛いよなぁ。こういうトコ。

明らかに泣いてるのになおも突っ張る真智子の頭を、浩介は軽く撫でた。

「よしよし。いい子いい子」

いつもなら間髪入れずに“からかうな”パンチが飛んできただろう。

が、今日は違った。

――限界だな。

「……よかった〜」

浩介の予想通り、真智子はボロボロ泣き出した。

「和也君、死んじゃったらどうしようと思った……」

珍しく素直に泣きじゃくる彼女の姿に、浩介は軽く笑って頭をぐしゃぐしゃにしてやる。

「ったく、“しっかりしろ”とか言って人の顔ひっぱたいたのはどこの誰だよ。あれ、めちゃくちゃ痛かったんだけど?」

「だって〜」

いつになく素直な真智子の泣き顔を見て、浩介の“キモチ”は彼に囁いた。

 オマエガ オナジメニ アッテモ
 カノジョハ コンナフウニ 
 ナイテクレル ダロウカ?

――知るかよそんな事。

浩介は心の蓋を思いっきり閉めた。