TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

「真智」

真智子は浩介が来る事を知っていたかのように、声をかけられた事に驚きもせず静かに尋ねた。

「……どうだった?」

浩介は彼女の横に立ったまま、どこから説明しようか考えた。

「駄目、だった?」

真智子の声は震えている。

「意識はまだ戻ってなかった」

「……そう」

「でも、経過は良いんだって。まあ後遺症とかはまだわからないらしいけど」

――とりあえずあの変な子の事は言わないでおこう。

こう見えて真智は繊細だから、これ以上ショックを与えたくない。

「とにかく、無事だったよ」

浩介が明るく言っても、真智子は何も答えず頷きもしなかった。

「……泣いてんのか?」

浩介はブランコの前にしゃがみ込んで真智子の顔を覗き込む。

「泣いてないわよ!!」

真智子はやっと顔を上げた。

目にいっぱい涙を溜めて。

「泣いてんじゃん」

「泣いてないもん!」

唇を噛んで堪えようとする真智子に、浩介は呆れたようなため息をついた。

「駄々っ子みたい」