――あの子、もしかして和さんが助けた人なのかな。
沈みかけた夕日を背に歩きながら、浩介は彼女の言葉を思い出していた。
『彼は恩人です』
――にしてもさ。
思わず首を傾げてしまう。
――だからって見ず知らずの男の付き添いなんてするか?恋人ならいざしらず。
だけど。
『……恋人なんて浮ついた関係じゃありません』
わからない事だらけだ。考えてると頭がパンクしそうな気がした浩介は、頭を振って山ほどある疑問を追い払った。
――あーもう、訳分からん!
しかもこんな緊急事態の時に姉ちゃん海外行ってるって、あいつの家族は一体どうなってんだ?
帰り道、何となく気が向いて小さい頃いつも三人で遊んでいた公園に向かった。
入口まで歩くのが面倒だったので、柵をまたいで公園に入る。
――こんなに低かったんだな。
ふと目をあげると、古びたブランコに座って俯いている真智子の後ろ姿が見えた。



