TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

浩介が弁解すると、辛うじて聞き取れる位の小さな声がした。

「……ごめんなさい」

「あ、いや別に謝らなくても」

歳は同じ位だろうか。

従姉妹かなんかだろうと思った浩介は、ぺこりと頭を下げて挨拶した。

「おれ……いや、僕、和也の友人代表で様子見にきたんです」

浩介の自己紹介に、女の子は目を合わせずただ小さく頷く。

――いや、頷くとこじゃないから。なんか言ってよ。

「あの、親戚の方ですか?」

恐る恐る尋ねると、女の子はさっきよりさらに小さな小さな声で答えた。

「……違います」

――まさか彼女?あいつ、恋人居たのか?

「失礼ですが……恋人、とか?」

半信半疑で聞く浩介を、彼女はものすごい目付きで睨んだ。

――こわ……目で人を殺せそうだ、この子。

「彼は恩人です。恋人なんて浮ついた関係じゃありません」

彼女の声は刃物のように鋭く尖って聞こえる。

――何にそんな突っ掛かってるんだ?たかが恋人って言葉に。