TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

女の子はもじもじとお母さんの陰に隠れている。

どうやら照れ屋さんらしい。

「元気?」

浩介は“まち”に笑いかけた。

“まち”は恥ずかしそうにコクンと頷く。

「よかった。心配してたんだ」

ほら、と何度も母親につつかれ“まち”は赤い顔で浩介に近付き花束を差し出した。

「これ、くれるの?」

「……う、うん」

「嬉しいなぁ。どうもありがとう」

浩介は、焦げ茶色の髪をポニーテールにした彼女の小さい頭をぽんぽんと撫でる。

「お兄ちゃん、今すっごい元気になっちゃった」

そう言っておどけると、“まち”はやっとかわいらしい笑顔をみせた。

「本当にありがとうございました。主人が戻ったらまた改めて御礼に伺います」

お母さんは何度も深々と頭をさげる。

「そんな、気にしないで下さい。大層な事したわけじゃなし」