TRIANGLE〜恋の二等辺三角形〜

真智子との電話の後、夕食を済ませてうとうとしかけた時だ。

誰かが激しくドアを叩く音で目が覚めた。

「おい!誰かいるか!?」

扉を開けるとすごく慌てた様子の管理人さんが立っていた。

チャイムを鳴らさず扉を叩くなんて、余程動揺しているのだろう。

その理由はすぐにわかった。

嫌な臭いがする。

「かっ、火事が……早く逃げてくれ」

管理人さんは、最後まで言い切らないうちに隣の部屋のドアへ向かう。

浩介はとりあえず財布と“約束の品”を持って外に出た。

通路に煙りが漂い始めている。

アパートは三階建てで、彼の部屋は二階の真ん中辺りだ。

どうやら二階の一番端の部屋で火事が起きたらしい。