★錬side





「愛子はさ?」




俺はふいに口を開いていた。




静かな車内で有名な作曲家ばっかりのクラシックを聞きながら。





「なぁに?」



ニヤつきすぎ・・・。何がそんなに嬉しいのか。





ナビについているデジタル時計をチラリ。




AM 9:43 35秒 ・・・・・・。




「何で俺だったわけ?」



「何が?」



「何で俺を好きになってくれたの?」



今まで俺の顔を覗いていた愛子が急に窓を眺めだした。



よほど恥ずかしかったのか?