―次の日―


結局、俺はこの男に拾われ、救われた。


そして、俺を拾ってくれた、その男の名は“笠原勇”(カサハラオサム)


勇は、あの古びたアパートで“なんでも屋”を営んでいた。


そんな中で、何にも知らない俺に“名前”と“生きる術”を教えてくれた勇。



勇が俺に付けた名前“滝沢登美也”


“滝”の様に降りしきる雨の日に見付けたクソガキ。

“沢”山の人々の中で、たまたま俺の前に現れたクソガキ。


オメェを捨てた親を見返す位に人生で“登”り詰めろよクソガキ。


ただ、汚ぇ真似だけはするな“美”しく生きろよクソガキ。


そして最後に、“也”には感性豊かに物事を表現出来る様な人間になれよクソガキ。


勇は数々の“願い”を込めてこの名前を俺に付けてくれた。


俺はこの名前が大好きだ。