ビアガーデン。


俺は、自分の少年時代の話しをリンにして、その話しを聴いたリンは泣きながら口を開いた。


『ねぇ、その勇さんの“なんでも屋”を何で閉めたの?』


そのリンの問いに俺は答えた。


『それは、勇さんと俺との“約束”なんだ』


『“約束”?』


リンは更に聞いてきた。


俺はまた、リンの質問に答えた。


『あぁ、勇さんが、俺が高校を卒業したら、“なんでも屋なんかしないで、ちゃんとした会社に入って俺を楽にしてくれ”って。』


『そして、“こんなオンボロのアパートとはおさらばして、もっと綺麗な家に住もうぜ”って』


『だから俺は、一歩づつだけど、“その約束”を果たす為に、“なんでも屋”を辞めて、“あの家”を出たんだよ。』


大分話しが長引き、俺は、薄暗く成りはじめた空を見た。


そしてリンに言った。


『そろそろ、店を出るか』


リンは頷き、俺とリンはビアガーデンの階段を下り、ビアガーデンのレジに向かった。



―ビアガーデンのレジ―



リンが俺に520円を手渡した。


『はいたっちゃん』


そして、俺も自分の財布から520円を出し、リンに手渡した。


『はいよリン』


そして俺達はビアガーデンを跡にした。