―8年後―



俺が勇に拾われてから“8年”の月日が流れ、俺は小学2年生に成っていた。


この頃の俺は、学校のクラスの奴らからイジメられていた。


その度に、家で泣いていた。


そんなある日、勇が泣いてる俺を見て言った。


『オメェ、何泣いてんだよ。』


『情けねぇ…イジメられたんならやり返せば良いだけだろ?』


『オメェ、それでも男か?』


勇のその言葉を聞き、俺は自分の涙を拭いながら勇に話した。


『だって…だって…』


俺の様子を見た勇は“じれったそう”な表情をしながら言った。


『“だって”じゃ無ぇよ』


『どうせ、またお前の“親”の事だろ?』


俺は泣きながら、無言で首を縦に振った。


その様子を見て勇は続けて話した。


『んな事言う奴は“ぶん殴ってやりゃ”良いんだよ』


俺は泣きながら、閉じた口を開いた。


『みんな言うんだ…』


『お前は“捨てられた子”なんだろ?って…』


『オメェ、んな事で泣いてんのかよ』


『“そんな事”って…』


『俺…俺はなんで捨てられたの?…』


俺は泣きながら勇に尋ねた。


俺の言葉を聞いた勇は、そっと優しく俺を抱きしめてくれた。


初めて、優しく俺を抱きしめてくれた勇の腕の中は、とても“逞しく”“暖かかった”。


そして、俺に、俺を“拾った日”の事を話してくれた。


そして、何故、警察にも届けず、勇が育ててくれたのかも…