「お前、男が怖いのか?」


訝しげに聞いてきた。


私は、不思議そう先輩を見た。


「気づいてないのか?
手が震えてる。
後、泣きそうだ。」


私、こんな....。


何も言えなかった。


だって、私の男嫌いの原因は、梨依ちゃんの事があってから。


なんて、気持ち悪いんだろうって。


しかも、信用できる人。


梨依ちゃんの衝撃は、私には計りきれないけど。


てか、梨依ちゃんは、男嫌いになったのかな?


私は、勝手にそうだと思ってるけど。


梨依ちゃんは、周りに心配かけないように平然としてるから。


弱いのに強いフリしてる。


私だったら、できない。


てか、本音を聞いてないから、全くわからないけど。


私は、一緒にいるしかできないから。


支えてあげるなんてできないから。


ふいに先輩が、私の頭をポンポンと撫でてくれた。


男の人に触れられることに恐怖を感じてたはずなのに。


なぜだろう。


その優しい手にまた、触れてほしいって。


私のそばにいてくれないかな?


私は、もうすでに、彼に侵食されていた。