あれは、私の高校入学式の日。


「だっりぃー。」


そう言いながら、女子から羨望の眼差しで見られてる男の人。


それが、私が彼を初めて見た時。


見た目は、かっこいいながらも、私の兄達を見てるせいで、みんなが見るほどの興味はわかなかった。


てか、隣にいる千里も数少ないながら目を惹いていた。


「実依ちゃん、せんちゃん。」


笑顔で近寄ってくる梨依ちゃん。


男子が振り向く、振り向く。


女子も見る、見る。


こんな人の妹だなんて恥ずかしい。


千里に関しては、慣れたけど.....


そう思っていたら、さっきの男の人とその男の人に声をかけた友達らしき人が、梨依ちゃんを優しげに見ていた気がした。


イケメンをも虜にする梨依ちゃん。


羨ましい。


梨依ちゃんは、大好きだけど、私って何?って、思っちゃうんだ。


「梨依ちゃん、どうしたの?」


そういえば、慌てて走ってきたみたい。


千里が不思議げに聞いた。


「帰るなら、一緒に帰ろ?」


今日は、時間帯が違うから無理だと思ってたのに。


もしかしたら、待っててくれたのかな?