はあっ、と 行き場のない気持ちに ため息をついて、 煙草に火をつけた。 そのときだった。 「…っきゃあっ」 近くで女の叫び声がした。 まさか、まさかなんて 頭の中で思ってみたけど、 その悲鳴の主が相原舞かなんて 本当は声聞きゃ一発で。 「だから 物騒だっつってんのに…っ」 火をつけたばかりの 煙草を投げ捨て、 俺は声のする方に 走っていった。