「誰か英語の訳やってない?」

球技大会からしばらく断ち、蝉が鳴き始めた頃、授業の間の休み時間の間に喋ってたあたし逹に、上矢くんが来て焦ったように言う。

茜「訳~?宿題だったけ?」

「ちげーよ!次の英語、俺当たるんだって!隼人もやってないっていうし」

茜「あいつがやってるわけないじゃん」

桜井くんの方を呆れたように見ながら言う。

1番後ろの席の桜井くんは楽しそうに漫画を読んでいる。

「ちび、やってない?貸して!」

美「え!ごめん、やってないや…」

「マジかよ~!英語とか分かんね~し!」

『あ、あたしやってあるよ。貸そうか?』

「本当に!?」

『うん…合ってるか分かんないけど…』

そう言ってノートを差し出す。