――5月――

入学してから1ヶ月が経って学校にも慣れてきた頃、あたしに新しく男友達が出来ていた。

「も~らい!」

「あたしの唐揚げ!」

3人で机を囲んでお昼を食べていると、茜の後ろから手がひょいっと伸びてきて、唐揚げが取られた。

「隼人!またあんた!?」

桜井隼人(さくらい はやと)君は、茜と中学が一緒だったみたいで、その繋がりで友達になった。

「んまっ!やっぱり茜ん家の母ちゃんの唐揚げは最高だな」

「最高だな!じゃない!あたしの唐揚げ返せ!」

「もう食っちゃたも~ん」

ギャーギャーと言い合いをする2人。