それから暫らくして、俺は仕えていた藩から独り旅立った。 …俺の生きる場所は、あそこじゃねェ。 腹を切っても生きていた俺を見て、死に損ないと陰口を叩く奴等も居た。 そんな連中には、『お前等の様な柔な奴等とは違う、俺の腹は刃物の味を知ってるんだぜ?』と言い返してやった。 …そう。俺はあんな事で死ぬ程、脆弱な身体をしちゃいねェ。 俺は俺の信じた道を −−生き抜くだけだ。 .