「長谷川、手離さねーとぶっ飛ばずぞ」
低く、ドスの効いた声。
背が高くて、鋭い目つき。
体育倉庫を、乱暴に開けたのは、渚だった。
この場合、あたしは全然喜べない・・・・・・・・
と言うのが現実だ。
殴られるずに済んだ・・・。
でもこの後は?
渚はまた何かしてくる。
そんな考え方が頭から離れない。
すぐにあたしから手を離した長谷川さんは、小刻みに震えていた。
掴まれていた襟元から、それが伝わった。
「・・・っ邪魔してくんじゃねーよ!さっさと出てけよ!」
一人の子がそう怒鳴ると、渚の次の行動に目を疑った。
その子の胸倉を片手で掴みあげて、長谷川さんと同じように拳を振り上げたのだ。
え・・・!?
その子はあたしと同じように目をぎゅっとつむった。
あたしはいつの間にか“やめなよ!!”って叫んでいた。
言おうと思って言ったわけじゃなく、反射的に言ってしまった。
ピタッっと止まった渚の拳は、彼女の顔ギリギリ。
ちょっとでも言うのが遅れていたら、完全に殴られていた。
