事情を話した心と佳保には先に帰ってもらった。
あたしは周りに人がいると、
何でもかんでも集中できなくなるので、
皆が帰って行くのを待った。
一人でやって、ちゃっちゃと終わらせよう!
さっきまでうるさかった教室が嘘みたいに、しんと静かになった。
とりあえずあたしは席について箱を開ける。
担任から渡された用紙は、5×6の罫線が引いてある。
ここに判子でも押すのね。
箱の中から黒いインクを出し、生徒の名前の判子を押し付ける。
そして用紙に慎重にそれを押し付ける・・・
その作業の繰り返し。
マジだるい。
でも、変なところ几帳面なあたしは、めちゃくちゃ慎重に判子作業に没頭する。
あと一枠で完成・・・・・・。
そう思った時だった・・・。
――――ガラッ
急にドアを開ける音がするから、思わずあたしの体はビクついた。
視線をドアの方へ向けると・・・・・・
「あ・・・」
あたしは言葉を失った。
