せっかくいい席になれたのに、
うなだれてトボトボと席を移動するあたし。
あーあ、やっぱくじ運悪い。
なるべく窓際に机を寄せてから座った。
これで班員が知らない人ばっかだったらキレる。
頬杖をついて、窓の外の桜の木を眺める。
あ・・・、結構桜散ってきてるし・・・。
もう4月末。
そりゃそっか。
あたしは舞い散る桜の花びらを眺めた。
ひらひらと儚く散っていく桜は、綺麗だ。
年月をかけて、咲いたからこそ、綺麗なんだ。
儚く散っていく姿だから、綺麗に見えるんだ。
あたしは、桜の花が一番好きだったりする。
理由は、なんとなく。
特に理由はないけど、単純に綺麗だし、
桜とか向日葵とか、メジャーな物しか知らないから。
自分の名前の“椿”は嫌いだ。
可愛いじゃんって言われるけど、
小さい頃におばあちゃんから聞いた話。
椿は、枯れる時、花ごとボトっと・・・
まるで人の首がとれるみたいに、落ちちゃうんだって。
はぁ、萎えるわ。
