あたしの部署があるフロアにエレベータが着き、階数がアナウンスされる。
ぞろぞろとエレベータから人が流れる。
いつのまにか隣に渡辺健人がいて、ぼそっと耳元で囁いた。
「藤森課長ってかっこいいっすよね」
当たり前でしょ、と心の中で呟き、
「そうね」と素っ気なく返した。
「奈々子、おはよう。昨日メール見たわ」
「あ、おはよ~。今日ね、はいはい分かりました」
奈々子が勝手に教えたくせに、自分が被害者ですとでもいうような態度。
ま、いつもだけどね。
「楽しみにしてる♪」
PCを立ち上げるまでにコーヒーでも淹れようと立ち上がると、それと同時に渡辺健人も立ち上がった。
気にせずに給湯室へ向かう。
いつものマグカップとドリップコーヒーをセットし、お湯を注ぐ。

