気がつくと、降りる駅へ着いていた。 よし、今日も頑張ろう。 勢いよくホームへ出る。 いつもの改札。 ICカードを読み込み部分へ掲げる。 今日も天気がいい。 さらっとした空気ではないが、少し心地よさを感じる。 夏がもうすぐそこまできているような感覚を覚えた。 駅から一歩踏み出た時、 「あ、亜紀さん?」 声が聞こえた方へ顔を向ける。 「・・げ」 思わず出た言葉はそれだった。