『那美…』


アタシを呼ぶ声。


それだけで幸せになれる。


手なんて触れたら。


失神しそうなくらいの幸せ。


…誰…?


今アタシに、触れる指。


「ごめん…。那美…。」


貴方が居るだけで。

この世界は、違う輝き。

ゆっくり目を開いた先には。


この世で一番、好きな人。


「起きました?」


ーヒトミ…。


「ねえ…。」


何も言わず。


そっと手の甲に、ヒトミはキスをくれた。