「づかれました・・・。」

地下からあがってきたミナさんは、気のせいか入った時よりしゃんとした姿勢をしていました。


「何言ってんだよ。まだ初日だろ。明日はもっとたっぷりしごいてやる。」

「か、かんべんしてください・・・。」

そして、セイの笑顔も、今までと違ってミナさんには親しいような・・・?

「どうでしたか、初めてのバレエは?」

「はい、身体動かすのって今まで苦手だったんですけど、嫌じゃないって思います。」

「そうですか、それはよかったです。ところでミナさん、次の『授業』は10分後ですから。」

「えぇっ!?まだやるんですかぁ?」

「当然ですよ。セイのバレエの次は、私が料理を教える時間です。」

「ホラ、言っただろうが。だいたい10時前に就寝なんてどんだけオコチャマなんだよ。」


「だって、よく寝るのは美肌に大事だって・・・。」

「あぁ?どんだけ美肌だって、男ひっかけなきゃ無駄だろっつーの。」

・・・ずいぶん、和気あいあいとしていますね。

会社帰りにセイが「あいつソッコー脱毛してやる!」とか言いながらミナさんを迎えにいっただけのはずですが。

セイの『授業』、バレエの前から二人はなんとなく楽しそうでしたし。

「・・・でも、ヒトミ店長さんのお料理って、すっごく興味あるから頑張ります!」


にっこり笑う顔は、どんな女性でも一番美しい時ですね。

曇りのない健やかな顔は・・・同じ名前の、MinAを思い出しますよ・・・・