私はカレーを作りながら、
輝と話をした。

「ねえ?食器も全て?」

「さっき言っただろう?」

そうだった。
家のあらゆる物全て、
ネットで買える。

けどね。値段も半端じゃ
なかったんだ。
野菜は全て無農薬だし、
肉も高級過ぎて、
カレーには少し勿体ない。

「琴って意外と、
倹約かだよね。」

「うん。」

だって貰うおこずかいの
中で買うんだから、
節約しないといけない。

「良かった。
琴が派手に使う子だったら、
どうしようと感じたよ。」

「何で?」

「いいや。
その方が俺は嬉しい。
カレーまだ?」

「もう少しだよ。」

輝は嬉しそうな顔を、
私に見せてくれる。
カメラの前では絶対に見せない、
本当の輝の素顔。

大切にしたいと、
私は心の中で願う。