「…あ。ショーパンだぁ!」



私がそばに行くなり、つかささんは嬉しそうに目を細めた。


「足…太いのに…おかしくないかな?」



「なぁに言ってるの。結子は足太くなんかないし。」



嬉しかった。


つかささんが嬉しそうに私を見てくれた事が、単純に。



車に乗ると、

いつもより緊張した。




面と向かって好きだと、まだ言えてない。


っていつ言うのよ私?



そんな事を考えながら、でも口は忙しなく動く。
いつもの私が機関銃で喋り倒す。




こんなにドキドキしているのにね。



つかささんもいつもと変わらない。


メールで散々私同様に、好きだとか会いたいとか言ってくれてたくせに、涼しい顔で、いつも通りの柔らかい笑みで私の話を聞いている。



この人は。


この人は緊張するという事を知っているのかな。



思いが通じた後の初めての約束よ?


緊張しないの?



つかささんの心臓は鉄で出来ているの?


それとも私がおかしいの?




聞くに聞けなくて、緊張やら疑問やら恥ずかしさやらが入り混じって、何が何だか分からなくなった私が俯いた時。