兄弟ではない。
そういえば、あたしと慧斗の関係はなんと呼ばれるのだろう?
友達、だろうか?
「よくわかんないけどあたしも行くよ」
千穂が立ち上がるとあたしもと皐月も立ち上がる。
「いいの?」
「三年生のとこでしょ?場所分かる?」
来たばっかりでしょ、と千穂は苦笑する。
あたしはお言葉に甘えて一緒に行くことにした。
「三年生の校舎は、一年とは離れてるの」
「なんで?」
「受験に集中させるためだって」
三人横に並びながらあたし達は会話を弾ませる。
「そういえば、誰に用があるの?」
「慧斗」
「慧、斗?」
ピタリといきなり二人が足を止めた。


