「その右目、怒られないの」
あぁ、とあたしは呟く。そしてちょいちょいっと千穂を手招きして耳打ちする。
「これね、天然なの」
あたしは千穂に嘘をついた。
嘘をついた方が、この目に触れてこないと思ったから。
「そうなの?」
「でも、ちょっと不気味でしょ?」
こそこそと話すあたし達は、周りから見たらかなり不信だと思う。
「ううん、天然なら仕方ないよ」
「ありがとう」
まんまとあたしの嘘にのってくれた千穂に罪悪感が芽生えたけど、あたしは笑顔を向けた。
千穂以外にも結構話せる子が出来た。千穂とつるんでいる子達は、千穂と一緒で優しい子達だった。
「雪那、今日放課後暇?」
「皐月、どうして?」
肩より長い皐月の髪は、茶色い。


