「雪那ちゃん、声フェチなんだよねー」 「そうなの」 奏の言葉に同意すると大吾はきょとんとしていた。 「総長の顔みてどう思った?」 「格好いいなー」 「族の頭だぞ?県一だぞ?」 「県一?凄いね!!」 パチパチと手を叩いたら、プッと誰かが吹き出した。 「何、何も知らないんだ……っ」 「珍しいよね。しかも慧斗の顔より声だって」 「俺、気に入ったわ!雪那ちゃん、神楽って呼んで」 「俺、遠矢」 神楽と遠矢。神楽は、どちらかと言ったら慧斗よりな顔で遠矢は奏よりの顔。